1.借地人(借主)が底地を買い取る。
実はこのパターンがオーソドックスで一番丸く収まる確率が高いのです。
底地とは、貸主が持っている土地の権利です。借地として貸している場合の土地は二つの層に分かれます。
一つの層は借地権、これは借主が持っています。もう一つの層は底地と呼ばれて貸主が持っています。
借地であっても登記簿上の土地の所有権者は貸主です。そこに借地権があるのかどうかは登記簿上ではわかりません。
土地上にある建物の謄本を取って初めて、土地の所有者と建物の所有者が違うことが解ります。
これが、他人であれば借地権ありと言うことになります。身内であれば借地権ではなく、「使用貸借」の可能性が強いですから。
「底地」とは借地権がある土地の所有権の変形と単純に理解してください。
この場合の売買金額の算定方法ですが、実は決まった方法や算定法はないのです。
不動産業者が当たり前のような顔して、こういう計算方法があるのです。などともっともな顔して根拠を示しても、そんなものは一つの例なのです。
税金の計算のように決まった方法はありません。
実はこの算定は私たちも、非常に困ったものでした。貸主、借主、双方が納得する金額を算定しなければいけません。
結局、こんなものだろうという仮説を立てて、貸主、借主を説得しました。
路線価方式が採用されてからは説得が非常に楽になりました。
http://www.rosenka.nta.go.jp/
上の路線価から欄外の借地権割合の%をみます。
この%を時価相場に当てはめます。路線評価ではなく、時価です。近隣の売買事例に従います。
例えば、近隣の同一条件で近い事例があるとします。その金額が坪50万であれば50万円×50%=25万 25万が底地の買い取り額です。
貸主から借主へ底地の買い取りのアプローチは、この算定方法を用いるとうまくいくケースがほとんどです。
もちろん、借主が全く購入の意思がない場合や、買いたくても資力がない、ローンを組む年齢でもない場合は別ですが。
借主は、土地の値段が半額なら買いたいなと思い、近くの銀行へローンの相談に行きました。
銀行の担当者も、借地のままでは将来建てなおす場合でもローンは組めませんが、底地を買うことにより通常の所有権となりますから文句はありません。まして半額なら土地の評価も問題ありません。
話はトントン拍子に進みました。
ここで、借主が高齢の場合はどうでしょうか?
ローンを組むのは難しいので、息子さんがいれば息子さんにローンを組んでももらいます。
この場合は、いままでは地主さんが貸主でしたが、今度は息子さんが地主になります。
でも、親子間で貸主と借主の関係になったら、地代の支払いをしなくなるでしょうから、税務署に「借地権の地位に変更がない旨の申出書」を提出します。
少し詳しく説明します。通常親子間で地代の支払いをしなくなり借主の借地権は使用貸借に変わり、借地権は消滅してしまいます。
そうすると、いままで地主さんに対する借地権が、今度は息子さんに対する借地権になります。
しかし、使用貸借に変化しますから、借地権はなくなります。すると借地権消滅の対価の問題が発生します。
つまり、借地権があったので地主さんからそれなりの価格で購入することができたわけですから、その対価は時価の50%(借地権割合よりかわります、今回の例ではEの50%です)です。
50%の対価の課税問題が生じます。
例えば、50坪の土地の坪当たり時価50万円を借地権価格50%で購入した場合、50万円×50万×50%=1250万円
売買金額は1250万円になります。
借地権は消滅しますから、親から子に1250万の贈与があったとして贈与税がかかる訳です。
で、先ほどの「借地権の地位に変更がない旨の申出書」を税務署に提出しておけば、この段階では課税関係は生じないものとして取り扱われます。
そして、親が死亡した段階で親から借地権を相続したものとして取り扱われて
その土地の評価は借地権としての評価となります。
少しややこしいですから、「地権の地位に変更がない旨の申出書」が必要だということを覚えておいてほしいのです。
売買の場合は、いままで土地の明確な境界がない場合もあります。この時に忘れずに境界杭の明示をしておきましょう。
一般的な場合、費用は売主の負担になりますが、これも話し合いで費用負担を決めてもいいのです。
ここまでくると話しがややこしくて、分かりにくいかも知れませんが、
こんなこともあるんだと少し頭の隅に置いておいて下さい。
少し長すぎましたね。

